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アクリル板の曇りの原因とは?
飛沫防止パーテーションをはじめ、フィギュアケースやフォトフレームなど、さまざまなところで使われているアクリル素材。
それらの中で透明のアクリルが白く曇って見えるようなものを見たことはないでしょうか。
プラスチック素材の中でも抜群の透明度の高さを誇るアクリル素材ですが、さまざまな要因で白く曇ってしまったり、透明度が失われてしまいます。
今回はアクリル板の曇りの原因やその対処方法についてご紹介していきたいと思います。
まずは曇りの原因についてです。
細かい傷
アクリル板の曇りの原因として一番にあげられるのが、「傷」です。
透明度の高さからガラスと比較されることの多いアクリル素材ですが、ガラスとの違いの一つとしては表面傷のつきやすさです。
硬いものをぶつけてしまった時などはもちろん、硬い布などでこすってしまうだけでも傷がついてしまいます。
細かい傷がたくさんついてしまうと、全体的にアクリルがくすんでみえたり、白っぽく曇って見えてしまいます。
看板やパーテーション、ケースなど、アクリル製品の使用状況によっても傷のつき具合はそれぞれかと思いますが、いずれの場合にしてもアクリル素材はガラスとは異なり傷がつきやすいということを知っておくことが大切です。
薬品によるダメージ
次は「薬品によるダメージ」です。
身近なところで言うと、アクリル板の掃除が原因となることが多いです。
例えば感染防止対策の一つとしてアクリルのパーテーションがさまざまなところで設置されており、やはり用途上定期的な掃除が必要になりますが、誤った方法で掃除をしてしまい、アクリル板を傷めてしまったというケースがあります。
そもそもアクリル素材は、酸には強いですが強アルカリ性や有機溶剤などには弱いという特徴を持ちます。
有機溶剤に分類されるものは数多くありますが、シンナーや除光液、アルコール類もそれに含まれます。
掃除や除菌というと”アルコール除菌”、”アルコール消毒”といったイメージがあるため、ついついアルコールスプレーやアルコールを含む液剤を使用して掃除してしまいがちですが、有機溶剤に弱いアクリル板に使用すると、アクリル板の表面が溶けて白く曇ってしまいます。
またひどい場合には写真のような「クラック」と呼ばれるヒビ割れを起こしてしまいます。薬品が付着すると化学反応により細かなひび割れがはいってしまったり、表面が白く濁ってしまったりしてしまいます。これを「ケミカルクラック」といいます。
クラックの例↓
このようにアクリル素材のものを掃除する際には、適切な方法で掃除をする必要があります。
正しい掃除方法については下記でご紹介したいと思います。
汚れ
次に「汚れ」が原因による曇りです。
何度もお伝えしているように、アクリル板の大きな特徴の一つが透明度の高さです。
綺麗な状態を保っていればその透明度はガラスにも匹敵するほどですが、逆を言えば汚れが非常に目立ちやすいとも言えます。
特に透明色のアクリルだと指紋やほこりが目立ちやすいです。
それらの汚れを放置し続けるとアクリル板がくすんだり、曇って見えたりしてしまいます。
ただし一つ目の傷の部分でも述べたように、適切な方法で掃除をしなければ傷やクラックなどを付けてしまう可能性があるので、掃除を行う際は正しい方法で行うようにして下さい。
曇りを綺麗にする方法
ここまでアクリル板の曇りを引き起こすさまざまな原因についてご紹介してきました。
ここからはアクリル板の曇りをきれいにする方法をご説明していきたいと思います。
曇りが出来てしまう原因はさまざまであるため、それをきれいにする場合もそれぞれの原因に合った方法で対処していく必要があります。
水拭き
まずは「水拭き」です。
この方法は上記で述べた「汚れ」が原因によるアクリルの曇りやくすみに対応した方法です。
アクリル板に付着した指紋やほこりを水拭きできれいにします。
その際に大切なことは、必ず柔らかい布を使用して、乾拭きではなく水拭きで優しく拭き取るということです。
お伝えしているようにアクリル板は傷がつきやすい素材であるため、硬い布や柔らかい布でも強くこすったりすると細かな傷がついてしまいます。
アクリルの掃除方法についてはこちらのコラムでも詳しくご説明しています。
ぜひあわせてご覧下さい☟
アクリル板(パーテーション)の正しい掃除方法とは?実はアルコール除菌はNG!
アクリル板はアルコーで掃除してはダメ!正しい掃除方法を教えます
研磨剤で磨く
次は「研磨剤」を使用する方法です。
これは上記の「細かい傷」や「薬品」が原因による曇りを取り除くための方法です。
使用するのは研磨剤です。アクリル板の研磨剤で有名なのがアクリサンデーの研磨剤です。
使用方法としては、研磨剤を柔らかい布などに取って丁寧に磨きます。
きめ細かい粒子によりアクリル板の曇りや傷が取れて透明さを取り戻します。
磨く際はプラスチック専用の磨きクロスなどを使用するとより綺麗に仕上がるかと思います。
※この方法はあくまで表面の浅い部分にできた細かい傷や曇りを取り除く方法になるため、深い傷やクラックなどを修復することは難しいです。
曇りを防ぐための対策
ここまでアクリル板の曇りの原因とその対処法についてご説明してきましたが、曇りが出来てからそれをきれいにする手間を考えると、可能ならばできるだけ綺麗な状態を保ちたいと思いますよね。
ではそもそもアクリル板の曇りを防ぐことはできるのでしょうか。
最後は曇りを防ぐ予防策についてご説明していきたいと思います。
曇り止め剤を使う
結論から言うと、ガラス用の曇り止め剤やワックスのように、アクリルやプラスチック素材の板の表面にできる曇りやくすみに特化した曇り止め剤というものはありません。
基本的にはアクリル板の場合は、曇りが出来たものをそれぞれ上記で説明したように原因に合わせて対処していくという方法になります。
ただ「ホコリ」などによる汚れを防ぐには、「帯電防止剤」という薬剤があります。
これをプラスチック素材の表面に塗布することで、アクリル板の静電気の発生を防止し、静電気によるほこりや汚れの付着を防いでくれるというものです。
プラスチック加工品の仕上げや掃除にご使用いただけます。
まとめ
今回はアクリル板の曇りの原因とその対処法についてご説明してきました。
プラスチック素材には、アクリル板をはじめ他にもさまざまな種類があります。
そしてそれらは一見同じようなものに見えても、メリットデメリット、特徴はそれぞれ異なります。
板の種類が変われば、今回のような曇りの原因となるものそしてその対処法も変わってきます。
プラスチック素材の加工や購入などプラスチック素材を扱う際は、まずはその素材の特性を理解しておくことが大切です。
それぞれの素材に合った加工や用途で使用することで、より良い状態で、より長く保ち続けることができるかと思います。
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